ある意味乗り物?との出会い タコ師匠のバイク史:その2

親父のサニートラックを運転していたのは叔父さんでした。

荷台にはしわしわの顔面、垂れた耳、血走った目、よだれタラタラのたてがみのないライオンみたいなのが乗っていました。

虎ちゃうやん。あのおっさんウソつきよった!

kodomo

するとうちの爺さんがトラックに寄って来てライオンみたいなんをトラックから引きずり下ろす。

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爺さんの目も血走ってる。

onijiji

ブルーザーブロディが振り回してるサイズのチェーンで繋がれてるライオンのような生き物。いきなり爺さん木刀でその生き物をボコッボコにした。

『ギャン!!』

余りの突然的な爺さんの暴走に言葉を失うタコ。

離れて見ていた叔父さんが後ろから爺さんを止めに入るが、叔父さんは軽く投げ飛ばされた。

血まみれの生き物が哀れで砂を掴んだタコは爺さんの顔に投げつけた。

砂が目に入った爺さんがふらふらしている間に、叔父さんが木刀を取り上げ木刀を車の中に入れて鍵をかけた。

叔父さん『お父さん、この子はもうドツキ回さんでええねん。はよ顔洗い。』

ojisan

グロッキーになったライオンみたいな生き物に水をかけて洗う叔父さん。

タコ『ライオンさん、死んだん?』

kodomo

叔父さん『死んでへんし、ライオンと違うって。』

ojisan

タコ『なんで爺ちゃん怒ってたん?噛まれる思ったん?』

kodomo

叔父さん『この子はライオンやなくて、犬やで。土佐犬。爺さんがドツキ回さな言う事聞かへんと思ったんやろな。』

ojisan

タコ『爺ちゃん恐い!』

kodomo

爺さん『無茶苦茶しやがるな、この坊主。』

onijiji

タコ『爺ちゃんこの子悪さしてへんのに何で叩いたん?可哀想やん!』

kodomo

爺さん『土佐闘犬はな、始めにドツキ回してこの人がご主人様やと教えとかな、人間に噛みにきよるんじゃ。皆がこいつに噛まれへんように叩いたんじゃ。犬はな、人噛んだら犬取りに殺されてしまうんじゃ。』

onijiji

3歳の子供がそんな大人の事情を理解出来る訳がない。

とにかくプレゼントが虎じゃなかったのと、目の前でライオンではない動物を一方的にドツキ回してる爺さんが許せなかった。

タコの家ではずっと犬を飼っている。

当時も牛小屋の入口にボクサー犬のよしひろが繋がれていました。

鶏や牛や馬を盗みに来る泥棒対策として、秋田犬等大型の強い犬がいました。

3歳が初めて見る土佐闘犬は馬の子程の大きさであり、実際にも土佐闘犬の中でも大型な犬であった為、たてがみのないライオンに見えたのでしょう。

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そんな土佐闘犬は牛小屋の軒下のオリに入れられ、タコ家の一員として無事?迎えられたのです。

犬にごはんをあげるのは毎日のタコの仕事。

次の日の朝、犬のオリのまえに大きな段ボール箱が置いてありました。

邪魔やなぁ~

牛小屋で馬、牛に餌をあげていた爺さんを見つけて段ボールをどけるように言いました。

爺さんが段ボール箱を開けると中には・・・

タコ『サ、サイクロンや!サイクロン号や!これ誰のん?本郷武来たん?』

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中にはピカピカのサイクロン号が入っていたのでした。