タコ、タイとアメリカへ渡る タコ師匠のバイク史:その36

タイでベルトを取れた僕に、謎だらけのアメリカ人が近づいてきました。

やたらと現金をくれる50代の男性です。最初は谷町やと思ってたので、気にせずにありがとうとポケットに入れてたのですが。。。

バーツ札がジャージのポケットに入らない位くれるので、街に出て小さなかばんを買った位です。

その男性は谷町でもなく、ホモのオッサンでもなく、スカウトだったのです。

日常会話の英会話はマスターしているつもりでしたが、そのスカウトの男性曰く、僕の英語は保育園児童以下レベル。

契約してくれたらこの金アゲルと言って札束を渡しているのに『サンキュ』しか言わないんですから。

そんなに契約したかったら価値がいまいちようわからんバーツやなくて、ドルか円でちょうだいと交渉、1万ドルで成立。

1ドル=360円と学校で習ったので360万円。

アメリカではパフォーマンスはかなり重要性があり、動物や生き物を殺すのは絶対ダメ。

日本人特有の着物を着てちょんまげを結い、刀を振り回して大根でも斬って欲しい、とのリクエスト。

360万円あればフェアレディが買えるので、刀でも着物でもちょんまげでもオッケー。

日本に帰り、学校や役所回り、書類面をクリアにしていざアメリカへ。

マジソンスクエアガーデンでメイン張るぞ!

タイでの愛車KR150を御世話になったジムに寄付して、日本に帰国。

着物、刀、鎧兜、ヌンチャク、空手着等を荷造りし、1ドル=360円でないとすぐに気づきます。

銀行に貯金した時に130円位の為替やったからです。

ま、それまでに貰ってたゴミ扱いしてたバーツを含めたら400万円以上あったのでま、ええか!

いざアメリカへ。

ただし、エージェントが送ってくれた航空券は、ロサンゼルス行き。

同封の手紙には、ロサンゼルス国際空港で乗り換えてラスベガスに来いと漫画が描いています。

ラスベガス?バクチの街って印象以外思い浮かばず。

契約金は先に貰ってるので行かない訳にもいかず、ロサンゼルス空港で死ぬ程迷いながら、ようやく親切な日本人のツアコンのお姉さんに頼み込んでラスベガス行きの飛行機乗り場まで連れていって貰いました。

『アメリカに来たぞ‼』ってとっくにロサンゼルスの時点でめっちゃアメリカなんですが、年中雨の降らないネバタ州ラスベガス。

飛行機から見えるプールつきの大きな家を買おか!?

テンションが上がります!

テンションあがったまんまラスベガス空港を出たら、迎えに来てくれたスカウトの男性にお願いして、車とバイク中古車を見に行ったのです。

車は日本やタイと異なり、左ハンドル・右通行ですから様子を見て、中古で安く売ってたカワサキの300㏄位のモトクロスKX を足車として購入。

ホテルの従業員が泊まるアパートメントに案内して貰いました。

アパートメントと言っても4LDK のゆったりしたファミリー向けの造りですから、待遇はかなり良いですね。

ファミレスデニーズのモーニングサービスは1㌦99㌣300円未満でコーヒー、オレンジジュース、ベーコン、ソーセージ、サニーサイドアップ、サラダ、何種類かのパン、フルーツが付いてるのです。

日本に持って帰るならともかく、向こうで暮らす分にはかなり安く感じるのです。

僕は減量し続けてるので、玉子、飲み物、サラダ半分を食べたら、残りのパンにハムと野菜を挟んで持ち帰り夕食にしていました。

アパートメントの家賃は無料らしいので光熱費を節約します。

とは言えど、摂氏40度位の砂漠ですからエアコンは少しずつでも入れないと脱水で死にます。

恐るべし暑さにいくら食べても太らないようになりました。

水を大量に摂ってもステーキをガンガン食べても体重が増えないのです。

運動量が摂取カロリーをはるかに超えてるのもあるのでしょう。

ただし広すぎるネバタ州、うっかりランニングして迷うと死にます。

遠出は必ずバイクに乗るようにしました。

ドル=130円でもラスベガスでの試合のギャラは破格でした。

谷町がつくと日本とは違い、世界中の金持ちが集うラスベガスなのでスケールの違う訳のわからん物を貰えたりします。

ハマーH2ではなくイラク戦争で活躍したエアコンのない軍用車。後にH1と呼ばれる。

②インゴットの金の延べ棒。ルパン三世が金庫から盗むアレです。

③自動車運転免許。

 実は車の免許、筆記試験に5回落ちてて原付免許しか持ってませんでした。

 合宿免許を知っていればと後悔していました。

 ローマ字で名前書いたら写真を貼り付けて完了。

 免許ゲットです。

文字盤のダイヤモンドが眩しすぎて何時かわかりにくいROLEX

⑤アパレル系貿易会社

グアムからTシャツを買い付け、カナダで売りさばきました。

ラスベガスにいる谷町たちはどこかイカれてるのです。