一瞬のスキの盗難劇、バイク界のフェラーリMVアグスタ
これは僕の友人であるタコ師匠のツーリング仲間の実話ですが、ある日現在AMG子会社のMVアグスタ(なんと300万円超え)を購入されました。
納車したその日に、ディスクロックやゴジラロックを買い求め街へ。
その後、とある金物屋さんへ立ち寄られたそうです。
何せ立ちコケしただけで、新車のスーパーカブが数台熔けるような超高級バイク、リアタイヤにもう一つ複雑な仕掛けの鍵を付けようと専門店を訪ねたのです。
そこは繁華街、バイクなら無料で駐車できるオタクの歩行者天国オタロードへ停め、しっかりとロック、金物屋さんで特注鍵を購入してその場へ戻ると…。
停めていたはずの場所にはなぜか台湾製のスクーターが1台。
気が動転した彼は、そのスクーターの主が窃盗犯で、代わりにスクーターを置いたと勘違い(筋が通らないのに、受け入れられないほど動揺しているのが伝わります)。
数分オタロード周辺のメイドさんにスクーターの持ち主を聞き込み。
実際にはゲート付きのトラック(おそらく真犯人)がいた事を全く知らず、その場に立ち尽くしてしまいました。
その後彼は台湾スクーターのナンバーを控え交番へ。
買い物帰りのスクーターの持ち主は、ゲームを所持していただけで盗難とは無関係。
改めて盗難届を提出するも、車体はオーナーの彼の元に帰る事はありませんでした。
納車当日の天国から奈落の底へ真っ逆さま、とてつもない不幸に襲われた彼でした。
でも不幸中の幸いは盗難保険に加入していた事。
街頭の防犯カメラには、しっかりと彼が施錠を行っていたいたシーンが残っていた為、晴れてこのスーパーモーターサイクルの車両代金が戻りました。
もし盗難保険に加入していなかったら・・・?
想像するだけでも恐ろしい話です。
自分だけは大丈夫、所詮他人事とタカをくくっていられる事では決してないのです。
どうしてこんなに少ない⁈ バイク盗難保険
国内販売台数 | |
自動車 | 5,046,511 |
二輪車 | 372,696 |
上の表は2015年度の車とバイクの販売台数です。
バイクは車の10分の1にも満たないという、この圧倒的な差に改めて驚かされます。
現在、自動車には自動車保険や車両保険に加入する事を前提に、付帯サービスとして盗難時に補償を受ける事が可能です。
数十あるも会社がしのぎを削り、特約などさまざまな補償を提供しております(ちなみに今盗難の標的として、最も狙われる車はプリウスだそうです)。
一方で二輪の方はといいますと、メーカーと中古車販売の大手数社が提供しているのみ。
それも自社で販売(購入)した車両に限定されるところがほとんどです。
まずはその現状を見てみる事に致しましょう。
HONDA DREAM 盗難保障
バイクメーカー ホンダが提供するバイク盗難保険
盗難補償プラン・費用(掛け金)
- 新車スクータープラン ¥2,500~¥10,000/年
- 新車ミニバイクプラン ¥5,100~¥18,600/年
- 新車バイクプラン ¥13,500~¥114,700/年
- 中古バイク/継続プラン ¥8,500~¥114,700/年
加入条件と補償対象
- ホンダドリーム盗難補償システム会員登録者
- ホンダドリーム店で購入した全車両(中古車の一部を除く)対応
- ハンドルロックが施錠されている
補償上限額
- 新車スクータープラン ¥162,000~¥486,000
- 新車ミニバイクプラン ¥270,000~¥540,000
- 新車バイクプラン ¥324,000~¥3,780,000
- 中古バイク/継続プラン ¥200,000~¥3,500,000
※各プラン内容により異なる
盗難における免責
- ¥20,000~¥350,000(プラン内容により異なる)
※新車1年目は同種同型車、2年目以降は再購入資金を補償
継続可能年数
- 制限なし
Club YAMAHA MOTORCYCLE
バイクメーカー ヤマハが提供するバイク盗難保険
盗難補償プラン・費用(掛け金)
- コミュータースペシャル(原付1種2種) ¥5,200~¥10,000/年
- クラブヤマハ(125㏄以上) ¥16,100~¥102,200/年
加入条件と補償対象
- クラブヤマハモーターサイクル登録者
- ヤマハの原付1種2種もしくは、126cc以上の国内モデル・海外モデル・海外向けモデルの新車ならびに中古車に対応(競技用モデルは除く)
補償上限額
- コミュータースペシャル ¥150,000~¥400,000
- クラブヤマハ ¥199,999~¥2,999,999
盗難における免責
- 車両本体価格の10%
継続可能年数
- 制限なし
KAZE盗難補償制度/KAZE中古車盗難補償制度
バイクメーカー カワサキが提供するバイク盗難保険
盗難補償プラン・費用(掛け金)
- KAZE盗難補償制度 ¥4,380~¥87,750
- KAZE中古車盗難補償制度 ¥780~139,650
加入条件と補償対象
- カワサキライダーズクラブKAZEモーターサイクルメンバー登録者
- カワサキ国内モデルの新車(登録後2ヶ月以内の二輪車)に対応<KAZE盗難補償制度>
- カワサキ正規取扱店(カワサキ認定協力店)でご購入されたカワサキ製二輪中古車<KAZE中古車盗難補償制度>
- エンジンロック、ハンドルロック、ホイールロックされている状態
補償上限額
- 車両本体価格の80%~100%
※プラン内容により異なる
盗難における免責
- 車両本体価格の10%(補償開始後1年以下)
- 車両本体価格の20%(補償開始後1年超2年以下)
- 車両本体価格の30%(補償開始後1年超2年以下)
※新車1年目は同種同型車、2年目以降は再購入資金を補償
継続可能年数
- 最長3年<KAZE盗難補償制度>
- 最長2年<KAZE中古車盗難補償制度>
→補償内容・加入条件を詳しくチェック◆KAZE中古車盗難補償制度
盗難プロテクトサービス
バイクメーカー ハーレーダビッドソンが提供するバイク盗難保険
盗難補償プラン・費用(掛け金)
- 盗難プロテクトサービス ¥車両価格の3%/年
加入条件と補償対象
- H.O.G./BRAG会員登録者
- HDJ正規販売網でご購入されたハーレーダビッドソン/ビューエル車(複数台所有の場合は1台毎の加入が必要)
補償上限額
- 車両本体価格の90%(初年度) ※中古車は80%
- 車両本体価格の85%(2年目)
- 車両本体価格の80%(3年目)
- 車両本体価格の70%(4年目)
- 車両本体価格の60%(5年目)
盗難における免責
- 車両本体価格ー補償上限額
継続可能年数
- 最長5年間(中古車は3年間)
盗難補償制度
バイクメーカー BMWが提供するバイク盗難保険
盗難補償プラン・費用(掛け金)
- 車体価格(メーカー希望小売)の¥2.9%/年
- ※BMW純正イモビライザーおよびDWA(盗難装置)装着車の場合は2.6%
加入条件と補償対象
- BMCJ会員登録者
- BMW Motorrad 正規ディーラーの新車・中古車
※車検証に記載された登録日より1カ月以内
補償上限額
- 車両本体価格の90%(初年度)
- 車両本体価格の85%(2年目)
- 車両本体価格の80%(3年目)
- 車両本体価格の70%(4年目)
- 車両本体価格の60%(5年目)
※中古車は車体購入価格がベースとなる
盗難における免責
- 車両本体価格ー補償上限額
継続可能年数
- 最長5年間
Ducati Protection
バイクメーカー ドゥカティが提供するバイク盗難保険
盗難補償プラン・費用(掛け金)
- ドゥカティプロテクションクラブ登録者 車両本体価格の¥2.75%/年
加入条件と補償対象
- ドゥカティプロテクションクラブ
- Ducatiの新車のみ対象
補償上限額
- 車両本体価格の90%(初年度)
- 車両本体価格の80%(2年目)
※新車購入代金充てとしてクーポン券を発行
盗難における免責
※新車1年目は同種同型車、2年目以降は再購入資金を補償
継続可能年数
- 新車登録後2年間
レッドバロンの盗難保険
バイク中古車販売業者 レッドバロンが提供するバイク盗難保険
盗難補償プラン・費用(掛け金)
- 保険金額の1.0%
- ※保険金額¥500,000の場合は、¥5,000/年
加入条件と補償対象
- レッドバロン会員またはロイヤルクラブ会員登録者
- レッドバロンで販売する車両(メーカー・新車・中古車問わず)
- 保険金額が¥50,000以上の車両
- ハンドルロックを施錠、キーが抜かれている状態
- 指定盗難防止装置(BL-10、BL-10Ⅱ)を完全な状態で装着
補償上限額
- 店頭販売価格の100%(新車購入の場合)
- 査定価格の100%(新車購入以外の場合)
盗難における免責
なし
継続可能年数
盗難防止装置の効能期限まで
※盗難防止装置の効能期限が切れた場合は、まず装置自体の更新手続きを経る事で、繰り返し盗難保険の継続が可能
レッドバロンで購入するという一点を除き、対象車種や状態を問わず加入出来る保険は非常に心強く、掛け金も一律で分かりやすいのが特徴です。
盗難防止装置の更新という条件は付くものの、年数を気にする事なく継続できる点も、長く乗りたいライダーの立場にたった非常に優しい内容といえるでしょう。
それではホンダ・ヤマハ・レッドバロン以外でバイクを購入された方は、それぞれのメーカーが設定した保険継続期間を過ぎた場合、どうすれば良いのでしょうか?
そこで真打をご紹介したいと思います。
ZuttoRideClub / JBR Motorcycle
保険の大手 JBR Motorcycle 株式会社が提供
盗難補償プラン・費用(掛け金)
- 充実パック+盗難30 ¥12,500/年
- 充実パック+盗難60 ¥21,800/年
- 充実パック+盗難100 ¥34,100/年
- 充実パック+盗難200 ¥61,900/年
- 充実パック+盗難300 ¥92,700/年
加入条件と補償対象
- Zutto Ride Club会員登録者
- 全ての車両(メーカー・新車・中古車問わず:但し一部車両除く)
補償上限額(代表例)
- 充実パック+盗難30 ¥300,000
- 充実パック+盗難60 ¥600,000
- 充実パック+盗難100 ¥1,000,000
- 充実パック+盗難200 ¥2,000,000
- 充実パック+盗難300 ¥3,000,000
※充実パック+盗難5 ¥50,000のプランからスタート
盗難における免責
- 盗難補償額とJBR-M参考審査価格表 のどちらか低い金額の5%
継続可能年数
- 制限なし
このJBRは何とこれまで紹介してきたホンダ・ヤマハはもとより、アプリリアやスズキなどのメーカーにも、盗難保険サービスを提供しているいわば本家ともいえる存在です。
僕があえてここで紹介するまでもなく、すでに多くのライダーから熱い支持を受けている保険サービスです。
それぞれのメーカーの料金体系表示の分かりにくさをはじめ、車種や保険の継続可能年数といった問題も見事に克服し、ライダーに近い目線で提供してくれていますね。
この
- 車種(及び新車・中古車の状態)を問わない
- いつまでも継続が可能
の2大問題をクリアーしたのは大いに評価すべき点でしょう。
その他にもレッドバロンも提供している内容となりますが、ガス欠や事故によるレッカー等を含めたロードサービスも提供しており、同時に加入する事でコストダウンともしもの時に備えを手にする事が出来るのです。
優位性をご説明する為、ダラダラと長くなってしまいましたが、さらに詳細をお知りになりたい方は下の公式HPよりご覧ください。
いかがだったでしょうか?
バイク保険の比較記事、少しでもお役に立つ事が出来たなら幸いです。
あなたの愛車が無事で、大きな事故にも会うことなく、楽しいライドがいつまでも続きますように。