綱引きでもお持ち帰り タコ師匠のバイク史:その15

オカンの弟

ossan1_r
『おとうさん、ハワイ行った事ありますか?』

爺さん

onijiji
『ないよ。ハワイなんか夢の夢やわ。ヨーロッパやアメリカ西海岸には仕事で金なりそうなもんあるけどハワイって遊びに行くとこやろ?』

オカンの弟

ossan1_r
『ハワイ旅行貰ったのでおとうさん、おかあさんで行きませんか?

爺さん

onijiji
『あんたとこのおとうさん、おかあさんに行ってもらいなさいや。あんたが重量挙げで取ったんやから。』

この頃、ハワイは夢の島で、料金も今みたいに安くはなく、車が買えた。

しかしオカンの弟(タコ母方叔父さん)は旅行に全く興味がなく、バイク、車、海釣り、麻雀、カメラ、ゴルフ、カヌー、将棋、伝書鳩、ウェイトリフティング等多趣味。

かなりの道楽者であるのです。

バイクは変なヤマハのハーレーのパチモンみたいなのに乗ってて、車はケンメリのGT-Rを転がしていて同じくハコスカR乗ってる叔父さんとは車やバイクで仲良し。

ハワイいらんから爺さんの機嫌伺いをして、輸入車か逆輸入バイクを、何とかてに入れようと目論見があるに違いないとオカンが予想していました。

爺さんは社長のお誘いで、同部隊の戦友達と支那の戦地を訪れ、戦場で亡くなった人達の墓参りに行った際に、墓のボロボロさ、手入れのされてなさに怒り狂い、日系現地ガイドを殴り倒し大使館関係者に怒鳴り込んだ過去がありました。

あんなブロックみたいな手でどつかれたガイドさんは気の毒です。

ハワイに行ったとしても戦地で亡くなった人達を弔い、腹の底からハワイを楽しめないでしょう。とオカン。

運動会に話が戻ります。

家族対抗戦綱引き。

地味なウェイトリフティングと違い、誰からも勝敗がわかりやすい運動会の定番競技ですね。

子供、女性一人ずつ入れた計6人でチームを作ります。

会社員の人々も自分の子供+若いOLさんなどとチーム編成をして参加しています。

やはり景品が豪華なんで本気の競技参加!

叔父さんは今回から別のチームでエントリーしており敵になりました。

うちは爺さん、親父、オカン、オカン弟、オカン方の爺さん、そして僕です。

叔父さんは社長の息子さん夫婦、京やん、社長息子さんの弟二人とチームを組んでエントリーしておりました

うちのオカン方の爺さん、後々にゲートボール日本一に輝きますが、体重40㎏ぐらいの小兵。

デブなオカンの半分ぐらいにしか見えません。

でもこちらにはデブの元相撲取りとムキムキのウェイトリフティングの選手がいます。

一回戦で社長息子さんのチームと当たりました。

叔父さんの罠、作戦だと何となくわかりましたが、文句は言えません。だって京やんのお母様はスタイルの良い細身の人でしたから。

……うちの親父、ひっそりウェイトリフティングに出て、腰ゆわしたらしいです。

◼びっくり腰って何や?◼
ぎっくり腰なんですが、びっくり腰って聞こえて、変な名前の怪我だと笑いこけました。

急遽、遊びに来ていた爺さんの妹の息子さん(親父の従兄弟)を親父の変わりに入れて綱引きに出場。

昭和20年代生まれで身長190㎝超えてるこのおっちゃん、実は運動経験も格闘経験もないのです。

このおっちゃんならトレーニングなしで猪木相手にエエとこまで戦えるんやないか?と親父、叔父さんが話していたことがあります。

onijiji

『このデクの坊が!!』

爺さんの怒鳴り声と共にデカイおっちゃんの背中に張り手が飛び、ブァチィィィ!!と乾いた音がグランドにコダマします。

おっちゃん、綱引きの1発目でタイミングあわず、コケよったんです。場内大爆笑!

怒りの持って行く所はびっくり腰で出れなくなったあなたの息子ですよ◼

おっきいおっちゃん可愛そうに、ブロックみたいな手で張り倒されて背中がしびれてるはず。

ダイヤネックレスは勝ち進んだ若手社員の人達がゲットし、メンバーの可愛らしいOLさんが首につけて貰ったみたいです。

騎馬戦では高級腕時計を社長の息子さん、叔父さん、京やん組がゲットし、叔父さんの手首にはギラギラした腕時計が光ります。